科 学
1.社会的計数能力 2001年4月6日 |
計数能力というか、算数・数学の能力というのは、その時代の社会の産業、経済等の発展に規定される。
未開段階においては、2もしく3はまでしか数えられない民族の事例が報告されている。「1、2、3」と数えて、それ以上はもう「たくさん」と言うそうで、おそらく4以上の数字を示す数詞さえないのだろう。別に、その民族が劣等なわけではない。未開段階においては、普段、4以上を数える必要がまずないのであり、どのような文明民族でも、過去の未開段階には、その程度の計数能力しか持っていなかったはずである。実際、人間が一度に認識できる数は、せいぜい3までであり、例えば4個などは、2個が二つと認識しているという。ある未開民族の例では、4以上が「たくさん」でないにしろ、6個を「2個、2個、2個」と表現するそうで、それ以上になると「たくさん」になるという。
それが、農耕、牧畜などが発展するとともに、次第に10以上の数字を数える必要が出てくるのである。
その際、人間が着目するのは、手の指の数である。これを使って数を数える。まず、片手で5、両手で10、足の指まで使えば20である。だから、次の段階では「10」もしくは「20」までの数詞を持っている民族が存在するようだ。
ちなみに、小学校1年ぐらいまで、みんなよく手の指を使って、足し算や引き算をしたものだ。教師は、そんなことをしてはいけないと言っていたが、筆者などは、足の指まで使って、計算したのを覚えている。
ちなみに、12世紀以前の中世ヨーロッパでは、四則の演算が出来れば、学者とみなされ、分数を理解することは、「天に昇る」より難しかったという。